各報道によると、8月10日(金)、富山県下新川郡入善町で水道水による食中毒事件が発生した。
●北日本放送
「入善町の簡易水道からエルシニア菌」
●読売新聞
「水道水でエルシニア腸炎」
●INTERNATIONAL BUSINESS TIMES
「富山県入善町の水道水から”エルシニア菌”が検出 3人が食中毒の症状訴える」
(※リンク先は期間限定公開の場合あり)
入善町といえば黒部川のほとり、日本名水百選にも選ばれたところで、なぜこのような事故が...と思うのだが、問題はその水道の管理方法である。
入善町の水道は簡易水道であり、その具体的な管理は20〜30軒程度の集落ごとによる「地域管理」だ。
地域内で管理組合を作り、住民自身が水道法の規制も含めこれを管理する。地方の山間部では珍しくはない形態だが、その大半の設備は老朽化していたり、ずさんな方法によって運営されていると考えられる。これは「仕方のないこと」とも言える。
しかし、目の前に綺麗な水があるのに、なぜ臭い消毒液(塩素)を入れなければならないのか?
この感覚が抜け落ちると、残留塩素を定めた水道法を軽視し、消毒液を入れる作業を敬遠させる。
今回の事故についても、「塩素が切れていた」のではなく、実態として「塩素を入れなかった」という確信犯であろう。
問題の本質は、塩素が切れても「そのままでいいや」と思わせないようにすべき行政サイドの姿勢であり、その役場の担当者は2人しかいないという状況だそうだ。
厚生労働省は、全国の簡易水道事業について、人員体制も含めた実態調査を行うべきである。